「うげ」


     「あ、多串くん」




     ― 望んだモノ ―





     「多串じゃねぇって言ってんだろ!つーか誰だよ多串って!!」

     「あーはいはい、土方くんね」


     まったく、嫌な奴に出くわしてしまった。
     せっかくの休日だっていうのに。



     「あれ?今日は沖田くんと一緒じゃねぇの?」

     「アイツは屯所で仕事だ。」

     「へぇ・・・・・土方くん、サボりですかァコノヤロー」

     「サボりじゃねえ!休暇だ!!」


     相変わらずムカツク奴だな、この万屋は!
     つーかコイツ、俺と総悟をセットで覚えてるんじゃねぇか!?



     「で、土方くんは一人ぼっちで何してんのさ」

     「テメェだって一人じゃねーかァ!!」

     「じゃー、一人で何してんの?」

     「・・・ただ暇だったから外出ただけだ。テメーは?」

     「特に何も?」



     ああもう何だコイツ。一々答え方がムカツク・・・!
     てかなんで俺はコイツと喋ってんだ。別にさっさとどっか行けばいいことじゃねぇか。

     クルッ


     「あれ、帰るの?」

     「テメーとは一緒にいたくねぇだけだ」


     「そーかい」


     せっかくの休暇だが、さっさと屯所に帰ろう。
     どっか別のところに行ったって、また出くわす気がする。(経験済み)



     「あ、そーだ土方くん」


     「あァ?」



     「沖田くん、元気?」


     「はァ?」



     何で万屋が総悟のことを聞くんだ?
     しかも、「元気?」って、この前会ったばかりじゃねーかよ。
     ・・・・・・?



     「別に、普通だけど、何だよ」


     「ふーん、普通ねー・・・」

     「あ?」

     「『別に』、何でも?」



     本当に何だコイツ。
     訳分からねぇ。


     「言いたいことはソレだけかよ」


     「んー・・・じゃあ、あと一つ」


     「んだよ」





     「近いヤツが、気付いてやんなきゃいけないことって、あるんじゃねぇの?」


     「・・・・・は?」




     「じゃーね」


     「あ、オイ・・・・」




     ・・・・何だってんだ?
     『近いヤツが、気付かなきゃ』・・・・?

     ・・・何のことだよ。




     
「沖田くん、元気?」





     ・・・総悟・・・・・・?




     いや、

     「まさか、な」





     とりあえず、あの万屋はムカツク。


     つーか俺、最近ムカついてばっかじゃねーか。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   久々更新!!
   まさか続きを書く日が来ようとは!!(オイ)
   久しぶりすぎて銀さんの口調が分からない・・・!
   次の更新は一体何時になるやら・・・。


   

   07.11.11