最初は、多分 似てると思ったから。


     昔の自分を見ているようで、



     だから、近づいた。









     ― 望んだモノ ―









     真撰組がどんなものか。

     そんなの、よく分かってなかった。


     ただ、警察だってことぐらい。



     人を斬るのが怖い と言った。

     真撰組の彼が。

     人を斬るのが辛いと、苦しいと、恐いと、嫌だと。


     でも、楽しんでいる。


     そんな自分が、一番嫌いだと。





     多分、驚いたんだと思う。俺は。


     俺は、俺と、

     同じ考えをする人がいるなんて、思っていなかったから。




     恐い?辛い?


     怖い?嫌?苦しい?



     それとも・・・・・・楽しい?



     怖くない、辛くない、嫌じゃない


       嘘。


     じゃあ、楽しくない?


     ・・・・・・楽しく、ない



          う そ 。





     人を斬ることが、怖い。


     さっきまで確かにいきていた人が、動かなくなるのが。


     『もの』になってしまうのが



     怖くてたまらなかった。





     そして、それを、


     人を人じゃなくすのを楽しんでいた自分が




     大嫌いだった。



     自分自身を怖いと思うときもあった。

     辛いと思うときもあった。



     でも、


     どんな感情よりも、何よりも、  だ い き ら い 。





     考えるのは、やめられなかった。



     嫌なことは、一度考えだすと止められない。


     考えて、考えて、

     苦しむのは自分だと知っていたけど。




     でも、いつの間にか


     辛くて、投げた。





     
「旦那は・・・・・・

      初めて人を殺した時・・・どう、感じたんですかィ ?」




     
「恐かった?辛かった?苦しかった?嫌だった?
      ・・・それとも、楽しかったですかィ?人を、斬り殺すことが」





     ああ、彼は真剣に考えてるんだ。


     自分の陰の部分と、向き合ってるんだ。



     
「・・・・・・旦那は、俺を軽蔑しやすかィ・・・?」



     出来ないよ、そんなこと。



     俺にはそんな資格も権利も無い。


     もし、あったとしても、



     自分自身の陰を、真剣に、


     捨てずに投げ出さずに考えてる彼を 軽蔑なんて、俺は出来ないよ・・・・・・。




     俺は途中で放棄してしまったから。






     
「旦那も、変われたんですかィ?」




     変われたんじゃないのかな。


     今、もう一度

     向き合おうと思えたから。



     今度こそ、受け入れてみようと・・・。






     彼の相談にのっているようで、

     救われたのは、きっと自分。




     俺と同じ考えなのに、俺とは違う君に



     多分、惹かれた。









     周りの人に、憧れてた。


     俺と違って、気にせずに戦ってる周りの人に。


     俺も ああ なりたかった。


     どうして俺は、考えてしまうんだろう。

     こんな考え、捨ててしまえば、楽なのに。


     捨てたくて、捨てられなくて、



     捨てた。



     ・・・捨てた?


     いや、違う。


     捨てられたと思ってただけだ。


     ホントはずっと、何処かに残ってた。



     でも、それでいい。


     君と、沖田くんと話して、そう思った。



     こんな自分でも、大丈夫。





     「旦那ァ、行かないんですかィ?コンビニ」


     「あー、行くから待ってよ」





     きっと、受け入れられる。






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   1の銀さん視点。・・・多分。
   途中から『彼』が『君』に変わってる謎。
   そして久々の更新。もちょっと真面目にやれよ自分・・・!


   

              070819