異変には、何となく気づいていた。


     ただ、何もできなくて。



     それでも、嫌だった。









     ― 望んだモノ ―









     総悟がまた、仕事をサボって寝ていた。

     いつものことだが、ムカツク。

     だから無理矢理叩き起こした・・・が、


     起きた時の総悟の瞳は、何処かいつもと違っていた。



     苦しそうな、哀しそうな、何処か遠くを見ている瞳。


     その後は、普通を振舞っていたけど、


     やはり、何となく何時もと違っていた。




     夜、少し眠りかけていた時、

     総悟が外へ行くのが分かった。

     音は殆ど立てなかったが、急いでいた様だったから。

     俺は追いかけなかったし、総悟も1時間ちょっとで帰ってきた。


     ただ、行く時とは感じが違う気がしたが、

     俺は、眠気からの気のせいだと思った。




     朝、気のせいではなかったことに気づくのだが。



     「・・・オイ、総悟。」


     「あ、土方さん。おはようございやす!」


     「・・・ああ。・・・お前、何でそんな元気なんだ・・?しかも笑顔・・・」


     「なーに言ってんでさァ。いつも通りじゃねぇですかィ」



     誰だお前!!

     何その爽やかな笑顔!?

     いつもは「おはよう」自体言ってこないくせに、何でこんな笑顔で!?しかも元気よく!!?

     何この昨日との差!?


     「・・・なんかあったのか?」

     「やだなぁ、何にも無いですぜ」


     嘘つけ。


     「それより土方さん。昼から巡回行きやしょう!」

     「はァ?今日は中で書類・・・」

     「・・・じゃあ俺一人で行ってきまさァ」

     「待て。俺も行く。」


     お前一人じゃ何するか分からねえ。


     「じゃあ、昼にまた」

     「・・・おう。」


     そんなに行きたいのか、外。

     やっぱ夜中に何かあったのか?







     「土方さん、アイス食って良いですかィ?」


     「ダメに決まってんだろコラ。」

     「えー・・・ケチ。」

     「テメェが見回り行きてえっつったんだから、真面目にやれよ!」

     「チッ・・・分かってまさァ・・・・・・・あ。」

     「あ?」



     「旦那!!」


     「あ、沖田くん。・・・それに多串くんも。」

     「げ、万屋・・・」

     「旦那、えーと昨夜は有難うございやした。」

     「いーってことよ、御代はパフェで。」

     「はは、言うと思いやした。」

     「?」

     「今日は何もないんだ?色々。」

     「まあ、昨夜のでスッキリしやしたから。色々。」

     「そ。じゃあパフェは今度奢ってもらおう。」

     「・・・旦那は其ればっかですねィ。」

     「銀さん貧乏だからさ。」

     「・・・・・・何かお前等、妙に仲良くねーか?」

     「別に?」 「まあ多串くんよりは仲いいけど?」


     お前なんかと仲が良くてたまるか。


     「じゃあ旦那、また。」

     「じゃーね沖田くん。」


     「・・・俺には何もなしかよ。」

     「何ですかィ、土方さん。旦那と仲良くなりたかったんですかィ?」

     「んなわけねーだろ。」


     ただ挨拶も言わねえことがムカツクだけだ。

     「土方さんも言ってませんぜ?」

     ・・・・・確かに。




     「・・・・・。」

     何で、アイツ等が仲良くなってんだ?

     この間までは、確かに何も無かったはずだ。

     『昨夜は有難うございやした。』

     ・・・夜中どっかに行ってたのは、万屋のとこか・・・・・・?

     アイツ等が、夜中に会ってた、のか・・・?


     何だ。何か、もやもやする。

     『じゃあ旦那、また。』

     また夜中とかに、会うのか?

     総悟が、万屋と。

     ・・・・・・・っ


     何か、




     「土方さん?どーしたんですかィ、早く行きやしょう。」



     「・・・ああ。」





     ムカツク。






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   1話目とかなり時間があいてしまいました、2話目ですよ。
   今回は土方視点で、土→沖っぽく。
   ・・・嫉妬ですね。銀さんに。

   なんか短くってゴメンナサイ。
   次はもうちょっと頑張ります。