最初は、何も特別な想いなんて無かった


   何時からだろう、

   こんなに、彼が、

   沖田総悟が、気になりだしたのは




           
伝えられない諦められない、恋




   気がついたら無意識のうちに見ていた。

   後姿を、横顔を、遠くから。

   その時は気づいていなかった。隣にいた男の視線に。


   気づいたのは、何時だったか。

   多分、意識して見るようになってからだ。

   俺が沖田総悟を気にしているのを認めてから。



   そして、気づいた。

   彼の目線の先に。


   真撰組副長の、土方・・・下は覚えてないけど。


   何時も、彼は、沖田は、土方を見ていた。


   だからだろう、土方も沖田を見ていることに気づいた。





   「あれ、旦那ァ」

   「ん・・・あー、沖田くん」

   「何時も以上にやる気の無い態度ですねェ」

   「・・・そう?いつも通りだよ」



   「そうですかィ・・・・・・あ、土方さーんっ!」


   「・・・・・・。」


   ああ、やっぱり 土方 なんだ。


   「それじゃあ旦那、俺行きまさァ」

   「ああ、うん・・・・。  じゃあね  」




   あ、土方が俺を睨んでる。

   睨みたいのは、

   ・・・・・・俺のほう、なのに。



   いや、それこそお門違い、か?


   二人は好き合ってて、俺はただの片想い。




   「あーあ・・・」



   報われないって、辛いよなァ・・・・・・。





   どうして好きになったんだろう。


   報われないなんて、きっと最初から分かってたはず。



   どうして・・・・




   「諦めきれないんだろうなァ・・・」



   彼はあの男が好きで、あの男も彼が好きで。


   俺が入る隙間なんて、無いのに。





   「好き、なんて言ったら、困るだろうな・・・」



   彼は、本気で人を傷つけることが出来ないから。


   今は まだ 土方と付き合っていないから、

   きっと俺を突き放せずに・・・・・・。



   でも、

   「そんな愛なら、いらないから」



   自分も、彼も、両方傷つく。


   だから、自分の気持ちは伝えない。





   「どうやって忘れっかなァ」





    忘れられるかも分からないけど。




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  銀さん視点。土沖←銀っていうより、土⇔沖←銀?
  最後まで『彼』にするか『あの子』にするか迷った。


  

     070818