本当は、ずっと好きだったんだ。
あの人のことが。
認めたくなんてなかった。
俺があんな奴のこと好きになる、なんて。
でも嫌いになんてなれなかった。
不器用なやさしさも。いつも陰で頑張っている姿も。
誰にも譲れない信念があるとこも。馬鹿みたいに俺らを信じてくれるところも。
全部。
けど、あの人が好きなのは、俺じゃない。
敵わなかった。
敵うところなんて一つもなかった。
そんなことは生まれたときから知ってた。
やさしいところ。無償の愛情を与えてくれるところ。俺を守ろうとしてくれる心の強さも。
姉上に敵うところなんて、一つもなかった。
それに、好きだったんだ。
姉上とあの人が、一緒にいる姿が。
好きな人と、大好きな姉上が一緒にいる姿を
嫌いになんてなれなかった。
二人が一緒にいる姿を、傍でずっと見ていられたらそれでいいって、
そう思ったのに、
なのに、
どうして?
(この世界に神なんていないんじゃないだろうか?)
(だって、姉上は)
「総悟?」
「・・・土方さん」
「お前どうした?ぼーっとして」
ああ、やっぱり優しい人だ、この人は。
俺を心配してくれてるんだ。
そうだ、優しい。
姉上だって、姉上にだって・・・。
「おい、総悟?」
「いやぁ・・・バズーカで死なない土方さんを、どうやってくたばらせようかなーって考えてただけでさァ」
「おいこら何物騒なことかんがえてんのお前ー!!」
この優しさに、俺は甘えちゃいけないんだ。
だって言いたくなるから。
けど、俺は言っちゃいけないんだ。
・・・二人が、好きだから。
「土方さん」
「あ?」
(「好きです」)
「・・・ばーか」
「んだとコラ!今日は一段とムカツクなテメェ!!」
「そういう気分なんでさァ」
本当は大好きなのに
(それを伝える日はきっとこない)
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銀魂リハビリ中。初の土←沖。
久しぶりすぎて口調覚えてないorz
090621