くしゅんっ
「・・・・・・・・」
ゴホ、ケホケホッ
「・・・・・・・雲雀さん、」
ズ・・・・・・
「・・・何」
「風邪ですよね?」
風邪引き
「・・・違うよ」
鼻を啜りながら言う雲雀。
「や、さっきから咳やクシャミしてるし鼻声だし、風邪ですよソレ!」
「うるさいよ、沢田綱吉」
と言って、また鼻を啜り、ケホ と咳をする雲雀。
「大体、何で君が此処にいるの」
そう、今二人・・・雲雀恭弥と沢田綱吉が話している場所は、応接室。
本来なら風紀委員長である雲雀と、一部の風紀委員しか入らない場所のはず。
が、そんな場所にまったく無関係の一般人であるツナがいるのは
「遊びにきました」
・・・らしい。
「いや、くるなよ」
「良いじゃないですか別に。雲雀さんも暇でしょ?」
「良くないから。それに暇じゃないから。風紀の仕事あるし。」
「とか言って、実は書類の殆どは他の風紀委員や立場の低い先生にやらせてること、知ってるんですよ?」
「・・・・・・・・・・・。」
ツナの言う通り、雲雀は書類等の仕事はあまりやらない。
やったとしても、他の頭の悪い風紀委員では出来ないものだけで、他は全て任せて、群れを咬み殺しに行っている。
それ以前に中学校の委員会で大量の書類など出るはずがなく。
それでも風紀委員なので行事などの承認や問題事の報告が一応来る程度だ。
「・・・書類より、群れを咬み殺す方が好きなんだよ」
書類なんて面倒なだけだ、と言葉を吐き捨てる雲雀。
「寒いのに外でそんなことばかりしてるから風邪引くんですよ」
「だから風邪じゃない・・・・・・っくしゅ」
「ほら、クシャミしてるじゃないですか」
「・・・・・・・・風邪だったら、大人しく帰るの?」
「いや、俺が看病してあげようかと」
「帰れ」
「酷いですよ雲雀さん、俺たちの仲なのに!」
「ケホッ、知らないよそんなの。ていうか、ただの顔見知りでしょ」
そんなぁ!とショックを受けたような顔をするツナ。
「将来を誓い合った仲、恋人同士でしょ!」
「君のその妄想を口に出す癖、どうにかしなよ」
「で、雲雀さん」
「・・・何」
「看病しますよ、俺が」
またその話か、と呆れながら咳をする雲雀。
「雲雀さんって、よく風邪とか引きます?」
「・・・何で」
「だって前にも風邪引いて入院してたじゃないですか」
「・・・・・・・・・・・別に」
そんな話をしながら、ツナは改めて雲雀を見る。
荒い息。熱のせいでほんのり赤くなった頬。気だるげな瞳。
涙目、上目遣い・・・(妄想)
(なんていうか・・・)
「エロいですね」
「ねぇ君大丈夫?」
「大丈夫じゃないです、鼻血でそうです」
「(変態!!!?)」
半分妄想の入った雲雀の姿を見たツナは鼻を押さえて悶えている。
たしかに、その姿は変態に見えるだろう・・・。
「雲雀さん!」
「今度は何」
「そんな淫らな姿、俺以外には見せちゃ駄目ですよ!!」
「は?淫らって何」
雲雀さんの風邪引いた姿は、それだけで18禁です!などと叫びだすツナ。
「だから雲雀さん、今日はもう大人しく寝てて下さい!」
「うん、君がいなかったら直にでもそうするんだけどね」
「俺が傍で看ててあげますから!」
「人の話聞けよ」
さあ!と言って雲雀をソファに寝かせようとするツナ。
もう抵抗は諦めているらしい、呆れながらも寝かせられる雲雀。
「じゃあ、1時間くらいたったら起こしますから、寝ていいですよ」
「君さ、寝ろって言われてすぐ寝れると思ってるの?」
「雲雀さん・・・。それはつまり、俺に添い寝しろと!」
「もういい寝るから。・・・物音立てないでね、おやすみ」
返事をするのさえも阿呆らしく思ったらしい。
鼻を啜りながら注意だけして、ツナに背を向けて寝てしまった。
「あーぁ、これじゃあ寝顔が見えない・・・・」
(まあ、寝起きが見れるならそれでいいかな?)
(ていうか風邪引いてる雲雀さんって可愛い!)
後日、風邪を引いて応接室入室禁止にされた人物がいたとか。
(看病して自分が風邪移るなんて馬鹿だね)
(言っとくけど、僕は看病なんてしないからね)
(うぅ・・・・・・・・・ゲホゲホ)
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久しぶりに(自分が)風邪引いたんで、記念に(ぇ)。
中学校の委員会の事情なんて分かりませんけどね。だってやったこと無かったし。
07.11.11