ドタドタドタ・・・


     部屋の外から響いてくる音。
     この音だけでも誰だか分かってしまう。
     ・・・ついでに、用も。




      バタンッ


     「土方さんっ!」


     ああ、やっぱり来た。



     「・・・何だ、総悟?」



     「Trick or treat!」


     ほら、やっぱりな・・・・・。




     Trick or treat





     「土方さん、今日はハロウィンですぜ」


     「・・ああ」


     「だから、トリック オア トリート!お菓子!」


     「・・・・・・・。」



     「お菓子が無いなら、もちろんイタズラ・・・」



             ポイッ
     「ほらよ」


     「え・・・。」



     「菓子。その飴でいいだろ」


     「・・・ちぇー・・・せっかくイタズラしてやろうと思ったのに・・・」



     だから準備しといたんだよ!
     お前の『イタズラ』はイタズラの域を越してるんだよ!




     「てか飴だけかよ・・・」

     「・・・いいだろ、別に・・・」



     人がやった物に文句つけるなよ。





     「沖田さーん・・・あ、いた。副長も」


     「何でィ、山崎じゃねーかィ。どーした?」


     副長もって何だ、も って。
     此処は俺の部屋だぞ一応!



     「さっき局長が呼んでましたよ」

     「近藤さんが?あー・・・、あ。山崎ィ」

     「何ですか?」


     「 Trick or treat 」


     「へ?」



     まさかとは思ったけど。マジでまだ言うかコイツは。
     しかも菓子持ってないだろ山崎。分かってて言ってるだろ。



     「えーと、すいません。お菓子持ってないです・・・」


     「! じゃぁ、イタズラ決定で」

     「え゛」


     「山崎・・・諦めろ」

     「そんな副長、酷いですよ!」



     俺に総悟を止めるのは無理だ。
     てか被害が俺に来るから嫌だ。



     「え、ちょ、沖田さん?」


     「何にしよっかなー・・・あ」


     うわ、何か目が輝いて・・・





     ちゅ









     ・・・・・。

     ・・・・・・・・・・・・ ちゅ?





     「総悟ォォ!!?」

     「お、沖田さんん!??」


     ちゅって、ちゅって・・・


     「何してんだお前ェェ!!」


     「何って・・・イタズラ?」


     「いやそれイタズラじゃないから!違うから!」

     「そ、そうですよっっ!・・・・!」


     てか山崎喜んでるんだけどォ!
     イタズラじゃないから、意味ないから!!


     てか、え?


     「・・・俺が飴やらなかったら、同じこと・・・?」

     「まあ、可能性としてはありやしたぜ?」


     マジでかァ!畜生、何やってんだ俺ェ!!




     「あ、じゃあ俺、近藤さんにお菓子貰いに行ってきまさァ。じゃ」


     「え、ちょ、総悟・・・」


      スタスタ・・・・・・パタン。




     ・・・・・えええええ。


     ・・・とりあえず、




     「山崎・・・覚悟できてんだろうなぁ・・・?」



     「えッ!?や、俺は何も悪くないですよ!!?」


     「問答無用だコノヤロー!!」




       ギャ――――――――・・・・・・・・







     終わっとけ。


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   ハロウィン用に思いついて30分せずに書きました。
   思い立ったら即行動で。



   07.10.26