どうしてか分からないけど


       何か、イライラした。









              雨上がりに















       朝起きたら、雨だった。

       そのせいか俺はテンションが低くてやる気も出なくて。

       周りの奴等には随分と可笑しく見えたんだろう、

       嫌味も言わずに「よぅ。」とだけ言うと、

       その度に「どうかしたんですか!?」って聞かれた。(とりあえず殴った)

       ソレが何度も続くと流石にどうにかしようと思い、外に出かけることにした。



       そしたら、チャイナに会った。

       何時もだったら言い争いとか喧嘩を始めるところだが、

       今日は珍しく挨拶を交わしただけだった。

       きっと隊士達には俺がこんな風に見えたんだろう。

       「どうしたんでィ?」と聞いたら「お前こそどーしたアル。」と

       聞き返されてしまった。同じように思ったんだろう。


       「朝から雨だとやる気が出ねぇんでさァ」

       「銀ちゃんがマヨと争ってて詰んないアル。」


       マヨ?

       ・・・って言うと、あの人しか・・・


       案の定後ろを振り返れば、少し遠くで万屋の旦那と言い争ってる

       あの人―――土方さんが居た。

       ・・・何やってるんでィ、土方さん。



       「お前、あのマヨ連れて帰れヨ」

       「嫌でさァ。何で俺が。」

       「一応警察だろ?人の迷惑になってるアル」

       「あいにく俺は、今日は非番なんでねィ」



       たった今決めたことですがねィ。

       と、心の中で言っておく。


       それより・・・



       「旦那が食ってるアレ・・・、一体何でィ?」


       「『チョコパフェスペシャルデラックス苺付ヴァージョン』アル」

       「何だそりゃ」



       俺は決して甘いものは嫌いじゃないが・・・

       アレはいくらなんでも無理があるだろ・・・・・・。

       特に土方さんは甘いものが大嫌いだから、最悪だろうなー。


       それにしても、あの二人・・・。


       意外と楽しんでるんじゃ・・・?



              ズキン



       ・・・?
       何だ??




       「あ、マヨ帰るみたいアル」

       「・・・そうみたいでさァ」


       「お前もさっさと帰るヨ」

       「言われなくても帰りまさァ」



       「銀ちゃーん!!」

       「おー。帰るぞー神楽ー」



       ・・・アンタ等は親子みたいでさァ。

       俺もそろそろ帰りますかねィ。


       ・・・雨も止まないし。










       「あれ、土方さん。」


       「総悟・・・。・・・テメエも仕事サボってんじゃねぇよ。」


       土方さんも相当イライラしているらしく、

       帰ったらいきなり煩く言われた。

       サボってたなんて人聞きの悪い。ただ散歩に行ってただけでさァ。(それをサボりと言う)

       しかも関係ないことまで煩く言われるし。

       そういうの、八つ当たりって言うんですぜィ?

       でも言い返す気力も出なくてそのまま聞き流していた。



       「・・・銀髪ヤローにしてもだなぁ・・・」



             っ!!

                      ズキン


       何故だろう。

       土方さんが旦那のことを話すのに反応してしまった。

       なんだ、何かイライラとかモヤモヤする。

       段なの話を続ける土方さんが嫌だ。

       気持ち悪くなってきた。黙ってほしい。


                         意外と楽しんでるんじゃ・・・?

       ・・・煩い・・・・・・。



       「・・・そうですかィ」



       それだけ言って、俺は走り出した。

       そこに居たくなかった。

       話を聞きたくなかった。



          ドンッ

       「うおっ!?総悟?どうした?」


       ちょうど帰ってきたらしい、頬が赤くなった近藤さんにぶつかった。

       ・・・またストーカーか。



       「・・・別に何でもないでさァ」





       近藤さんが「総悟!?」と叫んでるのが聞こえたけど、振り向かなかった。


       何も考えずに俺は走り続けた。











       「・・・どうしよう」


       何も考えずに出てきてしまったが、行く当てもない。

       そもそも何で出てきてしまったのだろう。



       「・・・川原。」


       適当に歩いてたら川原についた。

       川の水は雨で少し増してるが、これ位なら大丈夫だろう。と、

       暫く其処に居ることにした。



       ・・・偶には雨に濡れるのも良いかも。

       なんて考えたりしながら、座って川に石を投げてみた。




       ・・ん?雨が止んだ?

       いや、目の前に降ってるのが見えてるよなぁ。

       何か濡れてない気が・・・・・・。



       「・・・オイ」


       「!・・・・・・何ですかィ?」




       吃驚した。土方さんが来るなんて。

       そうか、濡れなかったのは土方さんが傘を差していたから、か。

       何故、声をかけられるまで気づかなかったんだ。



       「傘差さずに何やってんだよ」


       「・・・別に、土方さんには関係ねぇですぜ?」


       俺が勝手に逃げただけだから。



       「そうかよ。

        かえるぞ。」



       ・・・置いてどっか行くと思ってたのに。



       「・・・先に帰っててくだせぇ」


       「おっ前な〜〜・・・・・・」


       まだ何かあるんですかィ?

       もう少ししたら帰りまさァ。


       そう言おうとおもって口を開いたら




       「・・・どの言葉に傷ついたのかは分からねぇが、

        ・・・悪かった。八つ当たりして。」



       予想もしてなかった言葉を言われた。

       ・・・土方さんから謝罪が聞けるなんて・・・・・・。


       明日は雪・・・いや、槍が降るかも。



       「土方さん、まともに謝ることできたんですかぃ?」


       「///!!う、うっせぇ!文句あんのかよ!?」


       「いえ、べっつにー」



       ああ、こんな感じだ。

       やっと何時もの自分のペースになってきた。



       「〜〜兎に角!か え る ぞ!!」


       「へ〜ぃ。・・・・・・あ。


       雨が・・・・・・。



       「止みましたねぇ、雨。」

       「・・・ああ。」



       これで何時もの調子がちゃんと出る。



       「さー、帰るぞ土方ー。」

       「テメッ!何でんなに偉そうなんだ!!

        それに全然落ち込んでねぇじゃねえかっ!!」

       「何言ってんですかぃ。俺はそんなこと一言も言ってないですぜ?







       「それに――」


       「あ?」




       「雨上がりの空は好きなんで」



       澄んでて 綺麗で

       雨が汚い自分を流してくれたみたいで。

       ・・・なんて。




       ・・・?

       何か土方さんの顔が赤い??


       「?どーしたんですかぃ?土方さん」


       「チッ・・・どーもしねぇよ!おら、さっさと帰るぞ!!」

       「・・・?ったく、土方さんはせっかちですねぇ。

        ・・・・・どうしてそんなに死に急ぐのか。

       「ってオイィ!別に死に急いでなんかねぇよ!!

        っっうお!?テメエ、そのバズーカどっから出しやがった!!?


       それは勿論

       「常備してまさァ。」


       「んな「死ね、土方ー!」


        ドッカァァンッッ



       ち、外したか。



       もう一発!!




       ・・・・・・







       結局もう少しのところで屯所に着いてしまった。

       チッ惜しかったぜィ。




       そーいえば、あの時。

       どうして土方さんが旦那の話をするのが嫌だったんだろう?

       あと土方さんの顔が赤くなったのも。

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・??


       まぁ、過ぎたことはどうでもいいか。





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       沖田sideです。長くなりすぎた。

       そして沖田のキャラと喋り方が途中から分からなくなった・・・。

       やっぱり受けキャラは少し鈍感なくらいが丁度いぐはぁっ!(殴)