「なーヒバリ!花見行こうぜー!」



「・・・は?」






春休み中にも関わらず、急に応接室に入ってきたかと思えば、この発言。
何、花見って。いや、意味はわかるよそりゃあ。
でもさ、何故僕が君と花見しなきゃならないのか、その意味は全然わからないんだけど。






「嫌だ」

「えぇ!?なんで!!?」

「・・・・・・。」



「なーヒバリィー行こうぜー花見ー!なーヒバリってばー!」




ああもう、うるさい。
何で僕が君と?ふざけないでよね。
いつも一緒にいる草食動物や赤ん坊たちと行ってくればいいじゃないか。
何で僕?

ちょっ、しがみ付かないでよ!





「なぁヒバリってばー」


「・・・桜の花を見ると気分が悪くなるから嫌だ」

「嘘だろ?桜クラ病はもう治ったんだからさ」


「・・・・・・桜の花を見ると、どっかの南国果実を思い出して気分が悪くなるから、嫌だ」


「ええぇぇえ・・・・」




そんなー、とか声が聞こえるけど、気にしない。気にしてやるもんか。
花見なんて・・・どこかの真ん中わけで変な笑い方の南国果実のせいで大嫌いになったからね。





「じゃあ、花見はいいからどっか行こうぜー」

「何で君と出かけなきゃならないの」


「え、良いじゃん別にー」

「良くない」


「で、どこ行く?」


聞けよ人の話!行かないって行ってるでしょ!




「じゃあ、俺ん家とか!」

「却下」


「えー」



君の家なんか行ったら何されるか分からないからね。
ていうか君と出かけるつもりは無いからね。
さっさと帰れ。そして二度と来るな。





「ヒバリー・・・愛が痛いのな」

「愛なんてないから。変な言い方止めてくれる?」


「えぇー・・・俺はこんなにヒバリが好きなのに・・・」


・・・無視しておこう。
好きとか愛とか変な言葉が聞こえてくるけど無視。
・・・・・・ああ、うるさい。本当うるさい。
さっさと帰ってくれないかなぁ・・・




「ヒバリー、俺マジで好きなんだってばー」

「・・・・・・・・・・・・・(イライラ)」

「なぁ、ヒバリー」

「・・・ああもう、分かったから」

「!本当に!?俺の愛わかった?」

「分かった分かった。すっごい分かった」


「じゃあ、ヒバリも俺のこと好き!?」

「・・・あー・・・うん、好き。好きだからさっさと帰って・・」
「よっしゃー!ぃやったー!!」


「・・・だから聞けよ」




ていうかさ、さっさと帰れよ。
僕が何言ってもうるさくするんだね、君。
しかもなんか部屋中跳びまわってるし。


・・・・・・。





「よっしゃー、ヒバリもついに俺のこと・・・!」

「・・・ねぇ、山本武。」

「ん?どーしたヒバリ!」



「今日は何月何日でしょうか?」


「え?今日はえーっと、4月つい、た・・・・ち・・・・・・」



「理解した?」


「エイプリルフールかよ・・・!!」



ふふ、やっと理解したようだね。
僕が本気で好きだなんて言うわけないのにね。







「ちきしょー・・・全部嘘かよ!!」


「・・・全部、ってわけじゃないけど?」

「・・・え!?」








「桜の花を見ると気分が悪くなる、っていうのは本当だよ」












     
4月1日

「ほら、いつまでもいじけてないでよ。花見なら行ってあげるから」
「・・・マジで?」

「嘘。」









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微妙に4/1過ぎちゃったけど、まあドンマイってことで。



  080401